「皆で助け合う自助・共助のまちづくり」

今日は依頼された原稿を書きました。

実際の掲載はもっと削るかもしれません。

約1300文字の長文ですが、よかったらお読みください。

「皆で助け合う自助・共助のまちづくり」

                                                 葛飾区議会 危機管理対策特別委員 高木信明

令和元年10月、台風19号の襲来(しゅうらい)は各地に大きな爪痕(つめあと)を残しました。

葛飾区内でも2万人近い方々が117箇所の避難所に避難するという初めての事態となり、改めて日頃の災害対策の重要性を痛感させられました。葛飾区では心配されていた堤防の越水(えっすい)や内水氾濫(ないすいはんらん)が起きず、避難は一晩で終わりましたが、安全・安心なまちづくりの観点に立つと、数々の課題が浮き彫(ぼ)りになりました。避難所間の連絡・調整が不十分だったこと、情報社会にも関わらず、知りたい情報が伝わりにくかったこと、ペットを連れた方の避難については、区の災害対策が甘かったこと、高齢者をはじめとする要支援者の避難体制が不十分だったことなどです。課題については今後、葛飾区を挙げて早急に改善にしてまいります。

そんな状況の中、避難所が無事に運営できたのも、地域の皆様がボランティアとして活動してくださったおかげでした。双葉中学校では、体育館のある3階まで、外の備蓄倉庫の物資を運び上げたり、白鳥小学校では避難者が増えて体育館では足りなくなった時、各教室の机を移動させたりマットを運び込んだりと、多くの方々が積極的に活動してくださいました。夕方以降には急増した避難者の対応を買って出てくれた方々のおかげで、避難所運営スタッフも全体への配慮をさらに徹底することができました。

 特に、女性のボランティアの方々により、避難場所配置図などの掲示物の作成、雨で濡れた方のための更衣室や乳幼児を連れた方向けのマットを敷いた授乳所作りなど、女性ならではの配慮のおかげで、不便な中にも感謝の気持ちで過ごすことができたという声も聞かれました。若い人の体力、そしてアイデアと機転に助けられた避難所運営でした。

 実は、避難所運営スタッフである各町会の役員をはじめ、区の職員と先生方、消防団や市民消化隊も、みんなボランティアでの活動です。一部の方から批判的な声をかけられて、理解されない悲しさを感じたという声もありましたが、その何倍も、地域の方の助けあいの姿に励まされ、避難所を閉める最後まで、やり切ることができました。

 「自助」は住民一人ひとりが豊かな生活を送るために努力すること。「共助」とは、近隣の方同士が協力・協働し、豊かな地域づくりをすることです。ともに支え合い助けあい、お互いを気づかいあってこそ、安心して暮らせる街が出来上がります。

 東京大学の廣井悠准教授による防災士研修では、「避難とは、『安全を確保すること』であり、避難所に行くことではない。今自分がいるところが安全かどうか、ハザードマップでリスクを各自で確認することが大切」「硬い頭と思い込みが敵である」と、聞きました。

要支援者=避難困難者、のために地域はどうするのか?何ができるのか?個人では思いつかないリスクの穴を地域の皆さんで埋めていく必要があります。

 これからも大地震など、災害への心配は続きます。不安に溺れないための準備を自助・共助で進め、このお花茶屋を皆で助け合う安全・安心な街にしていきましょう。


葛飾区をより良く

高木信明公式ホームページ 『地域密着 一所懸命』の葛飾区議会議員 高木信明です。自由民主党議員団の一員として【葛飾区のカキクケコ】(感謝・協力・工夫・健康・向上心)をモットーに、課題に誠実かつ迅速に取り組みます。

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